日本分類学会連合 共催・後援シンポジウム
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ニッセイ財団(日本生命財団):
「生きものたちの危機−生物多様性と希少動植物保全−」
(開催日2002.11.27)
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第17回ニッセイ財団助成研究ワークショップ 「生きものたちの危機−生物多様性と希少動植物保全−」開催 |
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開催日時 |
2002年11月27日(水曜日) 10:00〜17:00 |
場 所 |
東京大学理学部2号館講堂 |
森林伐採や湿原・干潟の埋め立て、大気や水などの環境の悪化など、人類の活動や開発の結果、地球に生命が発生して以降、かつてない急激な速度で「生物種」の絶滅が起こっていると言われています。 地球上のあらゆる生きものは全体としてひとつの生態系を構成しています。数多くの生物間の多様な相互関係のなかに成り立っている地球上の生態系の中で、危機に瀕する「希少種」がついには絶滅していくことが人類の将来にどのような影響をもたらすか、真剣に考えなければなりません。 今回のワークショップでは「生きものたちの危機」をテーマに、日本分類学会連合会長・東京大学大学院・加藤雅啓教授に「自然界における生物多様性」のテーマで、生物多様性の基礎となる「生物種」についての研究が、生物学・分類学の分野でどこまで進んでいるのか、また、「生物多様性の保全」の意義と「人類社会」が「自然との共生」に向けてどのような課題を抱えているのかについてついてお話いただきます。 つづいて弊財団の助成を受けた、5名の研究者から以下のような具体的な事例についてご報告いただきます。特異な繁殖様式を持つがゆえに、心ない開発の前に風前の灯となった水生植物の例。あまりにも希少種であるがゆえに、記載されることもなく絶滅しかけているシダの例。本来の生息域が分断されてしまった猛禽類の運命。建設ラッシュの間接的な犠牲になった海の生物。地理的に遠く離れていながら、互いに共通点の少なくない浅海の生態系など。生物たちやその生息域に、近年起こっている急激な変化と危機的な状況、また、その原因となっている人間活動との関連についてご報告いただきます。 研究報告に続く総合討論では、滋賀県立大学・荻野和彦教授をコーディネーターに、講師と参加者の皆様で、「生きものたちの危機を救うために」何ができるのかについてご討論いただきます。 |
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