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総合討論
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講演に引き続いて,加藤雅啓代表を座長に,シンポジウム講演者と参加者との間で総合討論が行われた. 講演で提案のあった「分子系統解析センター」「遺伝子情報解析センター」で扱う遺伝子の種類や,遺伝情報を得るための標本の適切な保存方法などについて意見交換がされた.また,分類群間で研究の進展状況が著しく異なり,社会的に注目度が高いものの分類が遅れている分類群もあることが説明され,今後,分類学者らが重要性を社会にアピールしていくことで多様性を解明することが可能であろうとの意見が出された. 生物多様性を保存することによる利益,多様性を失うことによって被る影響に関しても討議されたが,現段階では生態系を維持するのにどの程度多様性が必要であるのか不明であるので,現存する多様性を保全していくのが最善の策であろうとの回答があった. 最後に参加者の一人から国内の既知種,未知種に関するアンケートの提案があった.国内の分類学者に,専門とする分類群,記載種数,未知種数などに関してアンケートを御願いし,それを毎年集計することで,国内の分類学の現状を把握することが可能となる.多くの分類学者が積極的に参加し,ボトムアップしていくことの重要性が指摘された.なお,このアンケートに関しては,日本分類学会連合の活動の一つとして実施すべく後日ワーキンググループが発足された.
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