設立総会
2002年1月12日に国立科学博物館分館において分類学に関係のある19学会によって日本分類学会連合が設立されました.設立総会に参加した19学会は以下の通りです: 日本貝類学会,日本魚類学会,日本蜘蛛学会,日本原生動物学会,日本動物分類学会,日本爬虫両棲類学会,日本哺乳類学会,日本線虫学会,日本昆虫学会,日本鞘翅学会,日本シダ学会,地衣類研究会,日本蘚苔類学会,日本藻類学会,日本甲殻類学会,日本古生物学会,種生物学会,日本生物地理学会,日本土壌動物学会.
総会の議長には日本爬虫両棲類学会の松井正文氏が選出され,規約案,役員,事務局,活動計画,分担金などについて検討しました.規約第1条の本連合の名称について論議が行われましたが,最終的には役員に一任することになりました.また,規約8条にある連合代表と副代表の任期について「継続して再任はできない」と文言を修正することになりました.その他の規約案条文については,原案どおり決定しました.規約案に ついては,その後,役員会で検討し,現行のものに決定しました.
役員は以下のメンバーが選出されました.連合代表:加藤雅啓(東大),副代表: 松浦啓一(科博),庶務幹事:友国雅章(科博),会計幹事:伊藤元己(東大), WEB担当幹事:朝川毅守(千葉大),ニュースレター担当幹事:高久元(北大),監査委員:三中信宏(農環研)・平野義明(千葉大).事務局は国立科学博物館動物研究部に設置することで承認されました.
今後の活動計画として,ニュースレターの発行,シンポジウムの開催,「国際動物命名規約」の頒布を行うことにな りました.また,三中信宏氏からメーリングリストを開設するとの提案があり,実行していただくことにしました.
動物分類学関連学会連合の資産を本連合が継承し,当面は分担金を徴収しないことが決まりました.
記念シンポジウム
設立記念シンポジウムは国立科学博物館分館で1月12日と13日の二日間に渡って開催されました.12日の午前中は設立総会が行われたため,シンポジウムは午後1時半から始まりました.約100人の参加者があり時間を超過する講演や熱心な論議が行われ,主催者側が時間のやりくりに苦労することになりました.12日は招待講演者6人による講演が行われました.分類学と研究費,野生生物の保全と分類学の関係,生態学と分類学の関係,生物全般に渡る共通性と多様性,植物学における分類学の役割,ゲノム時代における分類学の役割など,講演内容は多岐に渡りました.ま た,荒俣宏氏が特別講演を行いました.18世紀や19世紀の分類学者は,自分たちの仕事を世の中へ巧みにアピールしていた事など,豊富な具体例を引いて興味深い内容でした.特別講演の後,懇親会が開催され,参加者の交流を深める絶好の機会を提供しました.動物と植物に分かれていた分類学関係者が一同に会するのは初めての事であったため,適度なアルコールを交えて話題が尽きませんでした.
翌,13日は博物館や大学の第一線の研究者が6題の講演を行いました.講演内容は,一般社会と分類学の関係,分子データと形態分類学の関係,生物多様性とIT技術の関係,保全生物学と分類学の関係,そして古生物学と分類学の関係など,非常に幅広く,興味深い内容が目白押しとなりました.このためシンポジウムが終了したの は,予定していた時間をかなり超過してしまいましたが,それに見合うだけの内容はあったと思います.
(文責 松浦啓一,友国雅章)
日本分類学会連合設立記念シンポジウム(1)
本連合設立記念シンポジウムが2002年1月12日(土)午後1時30分より国立科学博物館分館研修研究館4階講堂にて開催された.シンポジウムに引き続いて,荒俣宏氏による特別講演が行われた.講演の要旨を以下に示す.
日本分類学会連合設立記念シンポジウム(2)
「これからの分類学」講演要旨
表記シンポジウムが2002年1月13日(日)午後1時30分より国立科学博物館分館研修研究館4階講堂にて開催された.講演を要旨を以下に示す.
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